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田舎時間を終えて,,,

田舎時間を思い出す
林洪立(Lin)

30歳,男性,経営コンサルタント,神奈川県在住

「田舎時間」に参加していることを実感したのは、東京駅から新幹線に乗って2時間もしないうちから。窓の向こうに見えた景色は、一面が雪化粧を施された東北の地。そんな厳しい自然の中にあっても、力強く生きて行くんだ、という意志の表れかのように、木々が雄々しく、力強く、生えていたのです。都会では感じることのできない、素朴で素敵な一幅の絵でした。

次に驚いたのは、山形新幹線の上山駅に到着した時。前の席に座っていたおばちゃんが、おもむろにスキーブーツを履きだし、スキーを背負ってホームに降り立ったのです。そのまま、駅から家まで滑って帰るくらいの勢い!目を外した隙に、おばちゃん、どこかに消えてしまって、残念ながら事実確認はできずじまい・・・

このように、始めから発見の連続だった初「田舎時間」ですが、ここで一つ一つ上げるにはきりがないほど、色々な方々にお世話になり、コーディネータの貴山君の機転にも支えられながら、様々な驚きや感動、学びがありました。キムタク主演の某ドラマではありませんが、「古き良き日本」を体いっぱい感じた一 泊二日の旅でした。その中でボクが感じたことをいくつか紹介させて頂くとすると、キーワードは、「一致団結」「テクノロジスト」「イノベーション・マネジメント」「地産地消」「晴耕雪遊」「方言」。

まずは「一致団結」。
農業復活/地域活性化に向けた、老若男女や産学官を問わない、ひたむきな姿勢には、とても清々しいものを感じました。心底思ったこと。それは、頑張れ日本!頑張れ上山!ただ、途中で何度か見られたのは、僕らへの過剰な期待。頼りにされるのはとても有り難い事なのだけど、お互いの認識にギャップがあるのなら、早いうちにそれを解消しないと、あとで気まずい雰囲気になりはしないかと、ちょっと心配になりました。

そして、「テクノロジスト」&「イノベーション・マネジメント」。
土曜日にお邪魔した、須田夫妻の役割分担を表しているのですが、ちょっとばかり、経営を科学する仕事についている人間らしく分析してみると。。。知識に裏付けられた技能を使いこなす人+さまざまな条件や環境を鑑みて常に革新を続ける人、平たく言えば、職人気質のお父さんと商売上手なお母さんが、良い感じにお互いを補い合う。企業経営って、こういうバランスが重用だよな~、気付くと唸っている自分がいました。

次に、「地産地消」。
これは、上山市で標語にもなっていたけれども、上山でも自給率40%強なんだそうです。まずは自分達の足元から固め、地元での助け合い、循環を見つめ直すことから、上山の持ち味が再確認されていくんでしょうね。なにも豊かな食材にに限らず、地元の遊び場、学び場、働き場で、地元のニーズを消化すること、それを最終的には目指されているのかなと思いました。その一つの歯車として、田舎時間があることも実感できました。

そして、「晴耕雨読」ならぬ「晴耕雪遊」。
「自然や人、モノとの触れ合い」を謳ってはいるけど、田舎時間が他のグリーンツーリズムと一線を隔すところは、地元の懐に入り込んでいることではないかと思っています。だから、妙な駆け引きがなく、ある意味、身内かのように、オープン&フェアな付き合いができるところが魅力なのだと思います。
特に今回は3月には珍しく、大雪だったこともあって、いつもに比べ、屋内で生産者の方や、地元の長老達との語り合いに多くの時間が割かれました。農業体験そのものは短かったとしても、雪の中でのチューブ滑りや、地元の人々の農業に対する価値観、地域活性化への想い、そういったお話を聞けたのは、ボクにとっては大きな収穫でした。
それは、元の生活に戻った時に、そのまま活かせそうなことを、持ち帰ることができたからです。具体的に言えば、須田夫妻との会話では、冬に剪定という作業をやっておく重要性など、家の庭の手入れに明日からでも役立つ話を聞けましたし、チューブ滑りでは、コース設計まで自分達でやりましたが、何事もプランニングが大事であること、慣れから来る油断が身を滅ぼすこと、などを再確認できました。
また、平均睡眠時間が3~4時間のボクにとって、今回は肉体労働が少なくて助かりました!体力や集中力を使う作業が多かった場合、事故や怪我に繋がるのではないかと、自分自身、懸念していたので。

最後に、「方言」。
田舎の言葉にある、偽りや飾りのない心と心の会話できる力を感じました。地元の銭湯に入った時、隣のお爺ちゃん達が話しているのを聞いて、ハングル(韓国語)かと思ったほど、まったく理解できなかったのですが、彼らと同じように季節や自然の流れに従い、同じ立ち位置に立つと、不思議と自分の口調までもが、訛ってきていたことに気付き、新鮮でした。

そうして、最後の最後に、ふぢ金旅館のお婆ちゃん、僕らの帰り際、お嫁さん(お母さん)に見えないように、こそっとキャラメルをポケットにねじ込んでくれて、ありがとうございました。そして、それを見て見ぬフリしてくれた(?)お母さん、ありがとうございました。これも、ボクの中では、古き良き日本のワンシーンです。

ひらした ふみたか

29歳,男性,会社員,東京都在住

地元の方々が、「この時期は滅多に雪が降り積もらない」、と言う、ある意味、貴重な時に初めて参加させて頂きました。
雪が深々と降っていたので、その錯覚なのかもしれませんが、”田舎時間”、やはり時間の感覚が違うんですね。単に早い遅いの問題ではなく、また都市と地方の違いでもなく、言葉の音感からくるものでもなく。これは地元の方々と、僅かとはいえ共に過ごさないと感じられないものかも知れませんね。ストーブの音だけが聞こえる中で、さくさくと色紙を切り、サクサクとラッピングをする。また、雪の中から、ごそごそと枝を捜して、ゴソゴソとまとめて積み上げていく。農園の中だけでなく、湯船の中でも、お蕎麦屋さんの中でも、家並みの間でも、振り返ってみてもやっぱり違うんだなあ、と。直線をひた走る生活を日々送っていると、円を描く様に一歩一歩踏みしめることの大切さが解ってくる様な気がします。とにかく、いろいろと気づくこと、思うことの多い一日でした。
雪が降っていない上山にも、一度お邪魔したいです。ラフランスもいろんな時期があるんですよね。また触れて、見てみたいです。ラフランス以外も、もちろん。
いろいろとよくしてくださった、須田さんご家族の皆さん、上山市役所のみなさん、貴山さん、本当にありがとうございました。楽しかったです。また是非ともよろしくお願いいたします

中山誠基

29歳,男性,販売 人事,東京都在住


田舎時間。

早朝の東京駅、あいにくの雨。スキー旅行者にまぎれながら出発。
新幹線で1時間ほどちょっとで外は一面真っ白な雪景色に変わり、3時間あっという間に別世界へ到着。僕たちが運んできてしまったのか、3月にしては珍しい発泡スチロールを細かく砕いたかのような、さらさらな雪がどんどんと降り積る山形、上山温泉。僕にとってこの冬、初雪。そんな時間。

さっそくお世話になる北澤さん(あいおい)のお宅に訪問。手作りの看板がかわいらしい。居間にお邪魔して、世界各国の旅行で購入した飾りものや奥さんの手作り装飾が囲む中、おじいちゃんから代々受け継がれている、北澤家教育方針である「親父の小言」が飾られている。北澤家の暖かい家庭料理。大人数の団欒も可能にする手作りコタツを囲み、温まりながら「はて、どうしたものかな」と全員、縁側越しに外の雪の様子を眺める。そんな時間。

3月は冬の収穫も終わり、農家がほっとする時期。
しかも外は雪。2日前に孫が誕生。今日ぐらいはゆっくりすっべか。そんな中訪れてしまった僕ら。かたいもの、やわらかいもの、胡桃と柚子と桜の葉をふと巻き状にしたもの紫蘇の葉で包みお茶に浸したもの、1個づつセロファンに包まれたもの、未知である干し柿の小宇宙に、北澤さんのガイドとともに突入。その深さに驚く。そんな時間。

年間計画書もスケジュールも本日1日のTODOリストも全ては北澤家の頭の中。
北澤家代々のナレッジはFACE to FACEの的確な距離で父から息子に受け継がれ、PLAN-DO-SEEは身体と果実で確認。そこには「生きる」直結の分かり易すぎる仕事と、暗黙のルールがある。米ぬかがこうも掃き掃除に有効とは。ここでしか収穫し得ない発見。「東京は人の住むところじゃないねぇ」。まさにその言葉を痛感する。そんな時間。

なんとなく始まる休憩時間、作業場の部屋で胡座をかき、なんとなく「きたざわeco農園」販促チラシ会議。土へのこだわり、苗へのこだわり、環境へのこだわりをどう消費者に伝えていくか。「無農薬」では語りつくせぬ作り手の手間と思いやりと熱意。これらをその一語に収縮させてしまう消費者の冷たさを痛感。外は雪。暖かいコーヒーで心は満たされる。ずっとこの気分に浸りたい、でも期限は来てしまう。そんな時間。

夜、新鮮なおそばを頂戴しながら、市役所の井上さんたちとの交流会。
上山温泉の歴史から、方言の話など。グループ別ごとの発見と経験を出し合う。地元のお米から醸造されたお酒を飲みながら。足湯に浸かり、温泉街ならではのコミュニティーを堪能。熱いお湯と冷たい雪を繰り返しながら、満月の中、お別れ。次の再開を約束する。宿の洞窟温泉に浸かり、雪が降り続くなか、コタツを中央に、いままで取りこぼして来た時間を拾うかのような、ゆうたりとした長く深い睡眠。そんな時間。

翌日、雪はなおも降り続き、大黒屋での囲炉裏を囲み、足を「踏ん張り」団欒。
藁をたたき、ならし、編んでいく。なんでこんな簡単なことが難しいだろう。なんでこんな難しいことが簡単なんだろう。編み進む末に「わらじ」という智慧の実にぶつかる瞬間。一日限りの師匠と弟子は自然と笑顔がこぼれる。炭で暖められたもちを食らい、納豆汁をすする。日本家屋、文化、食、白い息、体感。そんな時間。

雪まみれのチューブ滑り。すべてはコース設計が命。
ただ滑るだけではもの足りず、2段差つけてのジャンプに挑戦。ふさふさの雪に自ら身体を預ける。子供でもできないが、大人でもやらない。そんな幸せをかみしめつつ自然と腹から笑いが起こる。相変わらず雪はしんしんと降り続け、「火の用心」とコンパクトな消防車が警笛を鳴らしながら通り過ぎる。そんな時間。

田舎時間。こんな時代に、こんな贅沢でこんな温かい休日の過ごし方がある。さぁ、明日から仕事でも、頑張ろう。

さとこ

吹雪き色に滲む視界
産み落とされ積み重ねられる対話
記憶の甦りと創作の連鎖反応

日程枝拾い米ぬかふんばいる続く
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